TVL (Total Value Locked) とはなにか?なぜ重要?【初心者向け】

  • 2022-07-01
  • 2022-07-01
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仮想通貨やDeFi、GameFiをやっていると、よく目にするTVL (Total Value Locked) について気になっているかたいませんか?この記事を読むことで、TVLについてかんたんに理解できますよ。

■ TVLの定義

TVLの概要について、とりあえず、CoinMarketCapさんの 定義を見てみます。

結論、よくわからないので、ここは読み飛ばしてもいいです。

What Is Total Value Locked (TVL)?

If you have been using DeFi tracking sites, the chances are high that you have run into total value locked (TVL) as a reference point. To put it simply, total value locked represents the number of assets that are currently being staked in a specific protocol: this value is not meant to represent the number of outstanding loans, but rather the total amount of underlying supply that is being secured by a specific application by DeFi completely.

Total value locked is a metric that is used to measure the overall health of the DeFi and yielding market. You can track total value locked on many services.

There are three main factors that are taken into consideration when calculating and looking at decentralized financial service’s market cap TVL ratio: calculating the supply, the maximum supply as well as the current price.

In order to get the current market cap, you need to multiply the circulating supply by the current price. In order to get to the TVL ratio, you would need to take that market cap number and divide it by the TVL of the service.

From a theoretical standpoint, the higher the TVL ratio is, the lower the value of an asset needs to be; however, this is not always the case when we look at reality. One of the easiest ways to implement the TVL ratio is to help determine if a DeFi asset is undervalued or overvalued, and this can be done by looking at the ratio. If it is under 1, it is undervalued in most cases.

日本語訳すると、こんな感じです。

Total Value Locked (TVL)とは?DeFiトラッキングサイトを使用している場合、参照ポイントとしてTotal Value Locked (TVL)に遭遇する可能性が高いです。

簡単に言うと、トータルバリューロックは、特定のプロトコルで現在ステークされている資産の数を表しています。

この値は、ローン残高の数を表すものではなく、DeFiが完全に特定のアプリケーションで担保されている原資産の総量を表しています。

Total value lockedは、DeFiとイールド市場の全体的な健全性を測るために使用される指標です。

Total value lockedは多くのサービスで追跡することができます。

分散型金融サービスの時価総額TVL比率を計算して見る際に考慮される主な要素は、供給量の計算、最大供給量の計算だけでなく、現在の価格の計算の3つです。

現在の時価総額を得るためには、流通している供給量に現在の価格を乗じる必要があります。

TVL比率を求めるには、その時価総額の数字をサービスのTVLで割る必要があります。

理論的には、TVL比率が高ければ高いほど、資産の価値を低くする必要がありますが、現実には必ずしもそうではありません。

TVL比率を導入する最も簡単な方法の一つは、DeFiの資産が過小評価されているか過大評価されているかを判断することです。

1以下であれば、ほとんどの場合、割安であると言えます。

はい。わかるようでわかりません。

それでは、ざっくりと理解していきましょう。

■ ロックとは?

まずは、TVLの「L」の部分、「ロック」についてまとめます。

ものすごくかんたんにいうと、

ロックは、トークン(通貨)を預けること

専門用語を使うと、

ロックは、スマートコントラクトにステークすること

そして、ロックという言葉はステーク以外にも、 いろんなニュアンスがあります。

  • Dappsにロックする
  • Vaultによるステーブルコインの引き出し
  • 預入・貸出
  • LPトークンの提供

こういったことは、 大体ロックという単語に含まれています。

「銀行預金」や「担保を入れる」、 と同じ意味です。

■ TVLとは?

「ロック=トークンを預けること」から考えると、

TVLとは、預けられているトークンの総額

トークンの総量ではなく「総額」です。ここ重要です。

なぜなら、ドルや円といった法定通貨でしか、 人は仮想通貨の価値を表すことができないからです。

ただただ仮想通貨の量を見せられても、 それにどれだけの価値があるのかわかりづらいですよね。

だから、「金銭的な価値がいくらなの?」という見せかたをしようというのがTVLです。

■ なぜ、TVLはDeFiで重要なの?

TVLは、DeFi業界において重要な指標と言われています。

なぜでしょうか。

その理由は、DeFiサービスによるトークンの供給が、 どれだけちゃんと担保(保証)されているのか、がわかるからです。

TVLについてかんたんにまとめると、

TVL = DeFiサービスの健康度

□ TVLのイメージ

Maker DAOを例にすると一番わかりやすいです。

Maker DAOは、ユーザーが$ETHを担保に入れると、 $DAIというドルと同じ動きをするステーブルコインを貸し出してくれます。

この時、$ETHがロックされたトークンです。

そしてそのロックの量と単価(ドル換算)の掛け算がTVLになります。

このTVLが低い場合はどういう状況でしょう。

担保となる$ETHをドルで評価したとき、Maker DAOの金庫にはドル換算した場合の価値が全くない状態です。

そうなると、$DAIも少ししか市場に供給できません。

健康じゃないときって、人のために何かする気力が出ないですよね。それと似た状態です。

そして、$DAIは、限られた人しか使えないトークンになっちゃいます。

つまり、「使える人が少ない=人気がない」ということにもなってしまいます。

TVL = DeFiサービスの健康度 = 魅力度

健康的でハツラツな人ほど、周りの人からも人気が高いですよね。

■ 実はTVLより重要な「TVL比率」

TVLから見れるものは、単純な健康度と魅力度ぐらいです。

でも、大事なことは、そのDeFiサービスがより「信頼できるのか?」ということです。

この信頼度を見る指標が、TVL比率です。

単純なTVL比率の計算式は、以下です。

TVL比率 = 供給トークンの時価総額 ÷ TVL = DeFiサービスの信頼度
*1未満なら赤字

Maker DAOでいえば、$DAIの時価総額です。

□ TVL比率のイメージ

TVL比率のイメージを高めるために、Maker DAOを例にします。

Maker DAOのTVLが、100USDとします。

Maker DAOの時価総額が、100USDとします。

この場合、TVL比率は1です。

これは、Maker DAOの視点から見たら、 収入と支出が1対1の関係にあるということです。

Maker DAO側には、利益こそありませんが、 とりあえず支出が超過していないだけ、 健全に運営しているように見えます。

TVL比率 = 100 だとしたら?
これは、収入の100倍以上の金額を支出しているのと同じです。
もしこれが企業の財務状況だったら、 この企業に投資するでしょうか?しないですよね。

TVL比率 = 0.01 だったら?
内部留保たっぷり企業状態です。
こういう企業は、とりあえず 簡単には潰れなさそうですよね。

これが、TVL比率が重要な指標といわれる理由です。

■ おわりに

さいごまで読んでいただきありがとうございます。

TVLについてまとめますね。

TVL = DeFiサービスの健康度 = 魅力度

TVL比率 = 供給トークンの時価総額 ÷ TVL = DeFiサービスの信頼度
*1未満なら赤字

ただし、TVLもTVL比率もただの指標です。過信はしないほうがいいです。

TVLが大きいから安心とか、 TVL比率が1以下だからトークンが割安とか、たったそれだけの指標で投資を決断できません。

たとえば、「瞳の色だけで、 その人の性格を判断する」みたいなことと同じです。

TVLは、 DeFi市場やDeFiサービスの規模感を見るだけの指標だと思ってもらえるといいなと思います。